icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻2号

1999年02月発行

文献概要

今月の症例

乳癌手術42年後に出現したdelayed cutaneous metastasisの1例

著者: 松倉節子1 杉本真純1 高橋一夫1

所属機関: 1国立相模原病院皮膚科

ページ範囲:P.113 - P.115

文献購入ページに移動
 82歳,女性.42年前に右乳癌で右乳房切断術,リンパ節郭清術の既往あり.初診5か月前より顔面神経麻痺でプレドニゾロン5mg/Hを開始.受診1か月前に食思不振にて当院内科入院中,乳癌手術後瘢痕部周辺に小結節の多発を指摘された.病理組織学的に真皮内に異型細胞を認め管腔形成を認めた.免疫組織学的検査にてCEA, PKK−1, EMA, BREST−2が陽性であった.42年前の右乳癌が原発のdelayed cutaneous metastasisと診断した.Delayed cutaneous metastasisの中でも特に長年経過した後に発生した症例について文献を渉猟した。その発生機序として,tumor dormancy(腫瘍の仮眠状態)が何らかの刺激で活性化され発生する可能性を示唆する症例と考え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?