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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻2号

1999年02月発行

文献概要

症例報告

肺結核を合併した木村病の1例

著者: 小鍛治知子1 塩原哲夫1 長島正治1 高見佳宏2 大田見宏3

所属機関: 1杏林大学医学部皮膚科学教室 2杏林大学医学部形成外科学教室 3久我山病院内科

ページ範囲:P.121 - P.124

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 52歳,男性.10年前より右下顎部に発赤腫脹が出現し増大縮小を繰り返していた.1996年2月肺結核にて入院.一時増加していた好酸球は抗結核剤内服開始後低下したが,3か月後より再び増加するとともに下顎部腫瘤の増大を認めたため,12月当科初診.生検組織では皮下に好酸球浸潤を伴うリンパ濾胞様構造があり周囲に血管増生を認めた.その後好酸球数および腫瘤は軽快傾向を示し,1997年8月腫瘤部分摘出術を施行した.しかし,手術後1か月で再び増悪傾向となったため,インドメサシン(インダシンR®)2C/日の内服を開始し奏効した.木村病は一般にTh2優位の疾患と考えられるが,本症例ではTh1反応が主役を演ずる結核に合併したため,その治療に応じて興味ある臨床経過を呈したものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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