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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻2号

1999年02月発行

文献概要

症例報告

剖検にて骨・胸膜転移が確認された手背原発悪性増殖性外毛根鞘性腫瘍の1例

著者: 神戸直智1 田村敦志1 宮地良樹1 神戸美千代2 中島孝2

所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科学教室 2群馬大学医学部第2病理学教室

ページ範囲:P.149 - P.151

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 82歳,男性.手背原発の悪性増殖性外毛根鞘性腫瘍と上腕への転移巣を切除した.術後経過観察中に,腰痛にて他医を受診したところ骨病変が発見され,臨床的に前立腺癌の骨転移と診断され,泌尿器科にて内分泌療法を受けた.剖検所見では胸膜から骨髄に至る出血性の転移巣を認め,組織学的に悪性増殖性外毛根鞘性腫瘍の転移と考えられた.毛包起源の腫瘍は,一般の有棘細胞癌と比較して高率に転移することが皮膚科医には認知されている.本症例を通じて,皮膚科以外の診療科に対しても毛包癌の特殊性を十分に啓蒙していく必要があると感じた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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