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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻2号

1999年02月発行

文献概要

症例報告

コリン性蕁麻疹を伴った後天性全身性無汗症の1例

著者: 田村暢子1 和田秀文1 毛利忍1 富安斉2 渡辺良2 中村宣生3

所属機関: 1横浜市立市民病院皮膚科 2横浜市立市民病院神経内科 3横浜市立市民病院病理部

ページ範囲:P.153 - P.155

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 24歳,男性.初診時の約1年前からの全身の発汗低下を主訴に来院した.初診時に皮疹はなく,理学的所見も特に異常はなかった.一般検査,免疫学的検査ではIgEは1400μg/mlと高値であったが,他は正常範囲であった.発汗試験(温熱負荷試験)では腋窩などのアポクリン腺分布部位の発汗のみで全身に肉眼的発汗を認めなかった.自律神経機能検査ではほぼ正常範囲であった.運動負荷試験にて全身に自覚症状を伴わない米粒大の白色膨疹を認めた.運動負荷試験直後の病理組織学的所見では真皮上層の血管周囲および汗腺・汗管周園に肥満細胞浸潤が認められた.Idiopathic pure sudomotor failure(IPSF)と診断した.コリン性募麻疹の発症機序について考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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