文献詳細
症例報告
文献概要
症例1:60歳,女性.右胸壁の腫瘍紐織は3.0×2.5×2.0cm,成熟脂肪組織よりなっていた.腫瘍の辺縁では硝子軟骨よりなる島状の病巣を伴っていた.脂肪腫に軟骨組織を伴うことは非常にまれであり,軟骨化生によると考えられている.本例では線維性被膜や梁状の線維組織から化生により軟骨組織が生じたと考えられた.症例2:64歳,女性.左大腿部の皮下腫瘍は成熟脂肪組織の増生よりなり,少数ながらエクリン汗腺の汗管組織が認められ,adenolipoma of the skinの像に一致していた.汗腺成分は散在性で,ごくわずかしか認められず,脂肪組織が増生する際,entrapされたと考えられる.
掲載誌情報