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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻2号

1999年02月発行

文献概要

症例報告

乳房に生じた悪性黒色腫の1例

著者: 稲積豊子1 今西育子1 木村俊次1 生野麻美子2

所属機関: 1国家公務員共済組合立川病院皮膚科 2しょうの皮膚科

ページ範囲:P.171 - P.173

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 44歳,女性.出生時より,右乳房内側上方に黒色色素斑を認めており,3年前より同部に黒色腫瘤が出現,増大した.初診時,37×26mmの紅色調を混じる黒色色素斑上に,径12mm,灰黒色調の腫瘤を認め,右腋窩に鳩卵大のリンパ節を触知した.組織学的に腫瘤部はClark level IV, tumor thickness 3.5mmの悪性黒色腫で,右腋窩に2個のリンパ節転移を認めた.一方,色素斑は異型性に乏しいものの,in situの悪性黒色腫と考えられた.治療は腫瘍拡大切除,全層植皮術,右腋窩,右胸骨傍リンパ節郭清術,術前術後にDAVフェロン療法,タモキシフェンの内服を行った。乳房部の悪性黒色腫は非常に稀であり,その臨床的特徴,治療等について文献的に若干の考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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