icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻2号

1999年02月発行

文献概要

症例報告

偽癌性増殖を伴ったリンパ腫様丘疹症の1例

著者: 渋沢弥生1 秋元幸子1 岡田克之1 石川治1 宮地良樹1

所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.180 - P.182

文献購入ページに移動
 63歳,男性.初診の2年ほど前より四肢に自覚症状を欠く皮疹が出没を繰り返すようになった.初診約1か月前に生じた右大腿外側の皮疹が増大,潰瘍化した.組織学的に真皮全層に大型の異型細胞を多数混在する稠密な細胞浸潤を認め,大型の異型細胞はCD30陽性であった.右大腿外側の皮疹では表皮の偽癌性増殖も見られた.皮疹は初診後ほほ12週間で自然消褪し,臨床,組織像よりリンパ腫様丘疹症と診断した.自験例は定型的リンパ腫様丘疹症の皮疹に混じて右大腿に本症の鑑別に挙げられるregressing atyp—ical histiocytosisに合致すると思われる皮疹を認めたことより,regressing atypical histiocytosisがリンパ腫様丘疹症の亜型であるとする意見を支持しうる症例と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?