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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻3号

1999年03月発行

文献概要

症例報告

著明な瘢痕浸潤を呈した皮下型サルコイドーシスの1例

著者: 金子高英1 会津隆幸1 白石正彦1 野村和夫1

所属機関: 1青森県立中央病院皮膚科

ページ範囲:P.224 - P.226

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 63歳,女性.1か月半前より右前額部に2.2×1.4cmの皮下腫瘤と両手関節部の外傷瘢痕部に一致して発赤,腫脹,また右前腕の注射刺入部位に結節が出現した.20日前には左上腕に皮下腫瘤が2個出現した.組織は皮下腫瘤,瘢痕部ともにLanghans型巨細胞を混じる非乾酪性の類上皮細胞肉芽腫であった.血清アンギオテンシン変換酵素は高値であるが,両側肺門リンパ節腫脹はなく,ツベルクリン反応は陽性.軽度の虹彩炎があるが,心病変はなかった.以上より,自験例を瘢痕浸潤を伴う皮下型サルコイドーシスと診断した.瘢痕浸潤は皮膚サルコイドーシスの約20%に見られるとされるが,自験例のように4か所に高度の瘢痕浸潤が見られた例は稀と思われ,またその存在はサルコイドーシスの早期診断にも有用であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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