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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻4号

1999年04月発行

原著

A群β溶血性連鎖球菌による膿痂疹と接触者22名の保菌状況の調査

著者: 田中和佳子1 佐藤俊樹1 新澤みどり1 富田靖1 飛田正子2

所属機関: 1秋田大学医学部皮膚科学教室 2秋田大学医学部中央検査部

ページ範囲:P.297 - P.301

文献概要

 症例1:17歳,男性.乳児期よりアトピー性皮膚炎.初診の1か月前から両下肢にびらん,痂皮が多発.症例2:17歳,男性.症例1の友人で同じ下宿に居住.4日前,症例1と共に刺青を入れた後に,刺青部の左上腕に膿,痂皮を生じ,症例1の7日後に初診.いずれも病巣部からStreptococcus pyogenes(A群β溶連菌,血清型T13)を分離し,症例1から2への感染と考えた.いずれもアンピシリンで治癒.Toxic shock-like syndromeの発症の可能性も考え,下宿の同居人,主治医,病院の同室者,患者の友人の計22人の保菌状況を調査したが,A群β溶連菌は検出されなかった.以上のことから,本菌は感染しにくく,院内感染の危険は少ないと判断された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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