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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻4号

1999年04月発行

今月の症例

尖圭コンジロームより診断したHIV感染者の1例

著者: 早川祐子1 川瀬正昭1 横井清1 本田まりこ1 新村眞人1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.303 - P.306

文献概要

 25歳,男性.陰茎亀頭部から肛囲にかけて多発する黒褐色小丘疹を主訴に来院した.組織は顆粒層の表皮細胞の核周囲に空胞化を認め,細胞の軽度の異型性,配列の乱れ,核の大小不同が一部に存在した.PCR法にてhuman papilloma virus 6型が検出され尖圭コンジロームと診断した.初診時,病変が肛囲に及び広範囲であること,頭部に脂漏性皮膚炎を認め,両側鼠径リンパ節腫脹を触知したため,human immunodeficiencv virus(HIV)感染を疑ったところ,CD4 510/mm3,CD4/8比0.4,抗HIV抗体512倍以上,Western blot法陽性であった.また梅毒の既往があり,ガラス板法1倍,TPHA 2,560倍であった.近年増加傾向にあるHIV感染症において,我々皮膚科医はそれに伴う皮膚病変を熟知し早期発見に努めるべきと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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