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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻4号

1999年04月発行

文献概要

症例報告

トラニラストが有効であった汎発型環状肉芽腫の1例

著者: 小川晃史1 赤坂俊英2

所属機関: 1恵み野病院皮膚科 2岩手医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.324 - P.326

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 79歳,男性の胃癌手術後の化学療法終了後に汎発型環状肉芽腫を発症し,約2か月のトラニラスト内服でほぼ完全に皮疹が消退した1例を報告した.組織学的には,表皮直下から真皮網状層上部にかけて膠原線維の変性した類壊死巣と,その周囲に多核巨細胞を含む組織球,リンパ球,一部で核破壊を伴う多核白血球の浸潤を認めた.環状肉芽腫の病因は現在まで不明であるが,自験例は環状肉芽腫発症に細胞性免疫反応と液性免疫反応の両者が関与する可能性があること,また,その治療におけるトラニラストの可能性を示唆する意味で興味深い症例と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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