文献詳細
症例報告
文献概要
顔面,頭部,頸部に生じた溶連菌性痂皮性膿痂疹に丹毒様紅斑を併発した45歳,女性例を報告した.患者は15,6歳頃よりアトピー性皮膚炎であったが,最近は小康状態であった.痂皮から化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)と黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)が分離され,発熱,頸部リンパ節腫脹,白血球数増加,CRP強陽性を認めたが,ASK値,ASLO値は正常範囲内の変動であった.皮疹および全身症状は抗生物質の全身投与によりすみやかに改善した.丹毒は痂皮性膿痂疹と同様S.pyogenesを原因菌とする感染症であるが,その臨床像はかなり異なっている.その臨床発現の相違は,患者自身のある種の過敏性によるものかもしれない.
掲載誌情報