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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻4号

1999年04月発行

文献概要

症例報告

Pseudoepitheliomatous hyperplasiaを伴った舌縁の顆粒細胞腫

著者: 岡田裕之1 大西誉光1 渡辺晋一1

所属機関: 1帝京大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.360 - P.362

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 15歳,女児.10歳頃から右舌縁に結節が出現.現症は右舌縁の小豆大で淡紅色調の乳頭腫状結節.HE染色では,粘膜上皮の乳頭腫状の増生とその下方の真皮内に好酸性の顆粒を有する類円形ないし不正形の腫瘍細胞の増殖を認めた.真皮内の腫瘍細胞はS−100蛋白陽性,NSE陽性で,デスミンは陰性であった.以上の所見より真皮内の腫瘍をgranular cell tumor,また上皮の乳頭腫状の増殖を,pseudoepitheliomatoushyperplasia(以下PEH)と診断した.各種抗ケラチン抗体を用いた免疫組織化学染色では,PEHがAE1により正常粘膜より強い染色性を示したのに対し,MNF116やRCK102では正常粘膜より弱い染色性を示した.PEHでは過増殖状態のマーカーであるCK6/16,17が多量に発現され,相対的にCK5/14,15が減少していることが推察された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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