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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻5号

1999年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1999 2 皮膚疾患の病態

Hypersensitivity syndrome

著者: 藤山幹子1 橋本公二1

所属機関: 1愛媛大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.45 - P.49

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 重症型薬疹の一つにhypersensitivity syndrome(HS)がある.皮膚症状は紅斑丘疹型の薬疹であるが,1か月前後の投薬後に発症し,発熱,リンパ節腫脹,肝障害,白血球増多等の全身症状を呈し,しばしば症状が遷延し再燃することを特徴とする.代表的な原因薬剤として,抗けいれん薬,ジアフェニルスルホン(DDS),サラゾスルファピリジン,アロプリノールがあげられている.しかしながら本邦ではHSの概念はあまり知られていない.そこで,抗けいれん薬,DDS,サラゾスルファピリジン,メキシレチンによる,Stevens-Johnson症候群,TEN以外の本邦での重症薬疹を検索し集計したところ,ほぼ前述のHSに一致する臨床像を呈した.この結果は,従来Stevens-Johnson症候群,TEN以外の重症薬疹として報告されていた症例の多くがHSであることを示唆している.また最近,HSの病態にヒトヘルペスウイルス6感染症が関与する可能性が示唆されており,今後が注目される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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