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Derm.'99
「いじっていませんよね?」/「毎日,塗れば良くなります」
著者: 有川順子1 林伸和2
所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科 2東京大学皮膚科
ページ範囲:P.58 - P.58
文献購入ページに移動最近,アトピー性皮膚炎(AD)の増悪因子の一つに掻破行動の異常が指摘されている.痒いからという理由以外に癖になっている行動異常である.ADの患者は掻破の認識に乏しいことが多々あるが,面白いことに手湿疹,角化症,汗疱などで来院する前述のおばさま方はあっさりと白状する.「なぜ治らない」に対して,「いじっていませんよね?」と聞くといろんな方法(手で鱗屑をむしって,紙やすりをかける人もいた),動機(新しい皮膚ができているか知りたくなる,むしるとすっきりして気持ちいい)があるものだと驚いてしまう.そして最後には皆さん恥ずかしそうにお帰りになるのだ.掻くことがすべての説明にならないまでも,掻破は治癒を遷延させている一つの要因であると思う.
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