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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻5号

1999年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1999 3 新しい検査法と診断法

色素性乾皮症の診断—最近の進歩

著者: 森脇真一1 錦織千佳子2

所属機関: 1浜松医科大学皮膚科学教室 2京都大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.79 - P.83

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 色素性乾皮症(XP)は紫外線性DNA損傷の修復異常で起こる光線過敏性高発癌性遺伝病である.遺伝的に8種類の相補性群(A〜G,バリアント)に分類されるが,各群で重症度が異なるためその決定は臨床的に重要である.通常XPの診断は患者由来培養細胞を用いたDNA修復試験と細胞融合法による相補性試験でなされるが,手技の複雑性,稀少なコントロール細胞の必要性から,簡易検査法の開発が望まれていた.近年,XPの病因の解明が進み分子生物学的手法を用いたXP診断が試みられている.XPA群は本邦では特徴的な遺伝子異常を示すためほとんどの症例でPCRによる遺伝子診断が行える.XPE群とバリアントを除く他群ではXP各群の発現ベクターを患者細胞に導入して,紫外線照射したレポーター遺伝子の宿主細胞回復能をみることで診断可能である.今後,PCRやプラスミド宿主細胞回復能を利用した検査法はその簡易性と特異性からXPの重要な診断法になるものと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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