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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻6号

1999年05月発行

文献概要

症例報告

多彩な皮疹を呈したサルコイドーシスの1例

著者: 杉田康志1 行徳英一1 矢野貴彦1 徳永豊2 信藤肇3 林雄三3

所属機関: 1広島市立安佐市民病院皮膚科 2広島市立安佐市民病院内科 3広島市立安佐市民病院病理部

ページ範囲:P.432 - P.434

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 57歳,女性.左膝部に母指頭大,地図状の瘢痕浸潤様局面,四肢・下腹部に皮下結節,背部・腰部に米粒大の紅褐色丘疹を集簇性に認めた.腰部丘疹部は病理組織学的に表皮直下から真皮上層部分に結節状,小型の乾酪壊死を伴わない肉芽腫を多数認め,皮下結節部も同様の乾酪壊死を伴わない肉芽腫の形成を真皮下層から皮下組織に認めた.胸部X線像で両側肺門部リンパ節腫脹を認め,血清リゾチームは高値を示し,ツベルクリン反応は陰性であった.瘢痕浸潤,皮下型,腺病性苔癬様皮疹を伴ったサルコイドーシスと診断した.プレドニゾロンを30mgより投与し,左膝部の瘢痕浸潤は軽度瘢痕を残したが,他の皮疹はすべて消退した.3つの異なる皮膚病変の重複例であるばかりでなく,腺病性苔癬様皮疹という稀な病型を含んでいた点,これらの複数の皮膚病変が同時に,また広範囲に出現した点において非常に稀な例と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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