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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻6号

1999年05月発行

文献概要

症例報告

肺ノカルジア症に続発した皮膚ノカルジア症の1例

著者: 波多野智恵1 佐藤茂樹1 桧井俊秀2 林田静枝3 森晶子4

所属機関: 1広島総合病院皮膚科 2広島総合病院内科 3広島総合病院検査部 4広島大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.436 - P.438

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 77歳,男性.肺ノカルジア症に続発した皮膚ノカルジア症の1例を報告した.1995年1月頃より肺炎,肺線維症の診断を受け,抗生剤,ステロイド内服により治療されていた.同年9月,呼吸不全に合併し,全身に米粒大までの膿疱が多発した.膿疱の皮膚生検組織では,表皮内,皮下に膿瘍がみられ,膿瘍内に,グラム陽性,PAS陽性,好酸菌染色弱陽性を示す菌糸状桿菌を認めた.膿疱,組織の培養よりNocardiaが検出され,生理学的性状より.Nocardia brasiliensisと同定した.また喀痰からは,皮膚と同様にN.brasiliensisが分離されるとともに結核菌も検出された.自験例は肺結核を併発した肺ノカルジア症に皮膚ノカルジア症が続発したと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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