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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻7号

1999年06月発行

症例報告

吉草酸ベタメタゾンによる接触皮膚炎の1例

著者: 近藤雅子1 西嶋攝子1 三家薫2

所属機関: 1関西医科大学附属香里病院皮膚科 2関西医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.507 - P.509

文献概要

 28歳,女性.鼻唇溝部の小水疱に硫酸ゲンタマイシン含有吉草酸ベタメタゾン軟膏を外用し皮疹の増悪を認めた.貼布試験で吉草酸ベタメタゾンの原末および希釈系列では陽性,硫酸ゲンタマイシンと基剤はすべて陰性を示した.また20種類のステロイド剤の貼布試験を行い,使用歴のない他のベタメタゾン系とデキサメタゾン系の軟膏が陽性を示し,交叉感作を認めた.さらにリン酸ベタメタゾンナトリウムによる皮内テストでは即時型アレルギー反応を認め,後のベタメタゾン・d-マレイン酸クロルフェニラミンの内服テストでは,皮内テスト部位にflare-upを認めた.抗原性に関しては,貼布試験が陽性であったベタメタゾン系とデキサメタゾン系の共通構造であるC16位のメチル基,C20位のケトン基,C21位のアルコール基の空間の関与が推測された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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