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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻7号

1999年06月発行

症例報告

II型リポ蛋白血症に出現した多発性結節型黄色腫の1例

著者: 近藤雅子1 西嶋攝子1 梶浦孝之2

所属機関: 1関西医科大学附属香里病院皮膚科 2関西医科大学附属香里病院内科

ページ範囲:P.534 - P.536

文献概要

 55歳,男性.約20年前より自覚症状のない皮下結節が両膝蓋部に始まり両手足背や両肘頭部に多発し両アキレス腱肥厚も認めていた.約6年前より両眼瞼黄色腫も出現した.両親に高脂血症があり,血清脂質検査で総コレステロール,トリグリセライド,low density lipoprotein, verylow density lipoprotein,アポリポ蛋白B・Eが高値であった.心臓カテーテルで冠動脈狭窄を認めた.左手背結節の病理組織像で真皮中層に多数の泡沫細胞と膨化した膠原線維を認めた.これらの所見から本症例をIIb型家族性高脂血症に伴う結節型黄色腫と診断した.プロバスタチン,プロブコールの併用と食事療法,冠動脈バイパス術を施行した.経過は良好で,血清コレステロール,トリグリセライドは正常化したが,結節の消退傾向は認めていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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