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症例報告
アトピー性皮膚炎患者に併発した特異なメチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
著者: 谷垣武彦1
所属機関: 1大阪労災病院皮膚科
ページ範囲:P.537 - P.539
文献購入ページに移動 22歳,女性.乳幼児期よりアトピー性皮膚炎があった.1997年11月下旬より瘙痒感が増強し掻破していたところ,顔面に膿痂疹様皮膚炎を併発.近医でバナン®(2錠/日)内服,ゲンタシン®・アズノール®軟膏を塗布していた.12月初旬,突然顔面全体の発赤・腫脹と頭部に小水疱が多発してきたため当院皮膚科に入院した.入院時の検査にてメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症と診断,ホスミシン®,セファメジン®とミノマイシン®の投与が卓効した.退院後1か月間,鼻,耳孔部の細菌検索でなおMRSAが検出された.第3世代系抗生剤,アトピー性皮膚炎とMRSA感染症の合併,この患者の顔面に生じた熱傷様症状の病態について考察した.
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