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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻8号

1999年07月発行

今月の症例

生体腎移植患者にみられた重症水痘の1例

著者: 有川順子1 石黒直子1 川島眞1 石川暢夫2

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2東京女子医科大学泌尿器科学教室

ページ範囲:P.597 - P.599

文献概要

 29歳,男性にみられた生体腎移植1年後に生じた水痘を報告した.移植後免疫抑制剤を内服中で,初診時ほぼ全身に水疱,血疱,紫斑が多発しており,DICと肝不全を合併していた.水疱底の擦過細胞での螢光抗体直接法にてvaricel—la-zoster virus(VZV)抗原を確認後,抗ウイルス剤,免疫グロブリンの大量投与にて全身状態は軽快し,約1か月で皮疹は略治した.移植後の水痘の合併率は0.3〜4.7%と低率だが,VZVは他のヘルペスウイルスと比較して臓器侵襲が強いため重症化しやすい.早期診断,早期治療が救命に結びつくと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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