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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻8号

1999年07月発行

文献概要

症例報告

猫ひっかき病の1例

著者: 芳賀律子1 木下祐介1 下島博之1 飯田利博1 西山千秋1 稲庭義巳2 鈴木高祐2

所属機関: 1日本大学医学部付属練馬光が丘病院皮膚科 2日本大学医学部付属練馬光が丘病院病理科

ページ範囲:P.601 - P.603

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 21歳男性の血清学的検査により確定診断を得た猫ひっかき病の1例を報告する.初診2週間前,左膝に紅色丘疹を認め,その後左大腿内側に圧痛を伴う鳩卵大の皮下腫瘤が出現した.病理組織所見は,中心に壊死を伴う好中球性膿瘍とその周囲を組織球が取り囲むいわゆる炎症性肉芽腫像を呈し,Warthin-Starry銀染色にて膿瘍内に桿菌を証明した.血清学的にはBartonella hen—selaeに対するIgM抗体が陽性であった.以上により猫ひっかき病と確定診断した.自験例で施行した酵素抗体法による抗体価測定は今後本症の診断の確定に有用な検査法と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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