icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻8号

1999年07月発行

症例報告

腫瘤状を呈したbowenoid papulosisの1例

著者: 平田順子1 千葉直子1 石崎純子1 繁益弘志1 原田敬之1

所属機関: 1東京女子医科大学附属第二病院皮膚科

ページ範囲:P.605 - P.607

文献概要

 75歳,男性.陰茎基部にカリフラワー状に隆起した腫瘤を認め,陰茎,陰嚢には多発性の黒褐色丘疹を認めた.この黒褐色丘疹は組織学的に軽度の細胞の配列の乱れと核の大小不同を認め,その臨床所見ならびに組織像よりbowenoidpapulosisと診断した.一方,隆起性の腫瘤は黒褐色丘疹が集簇し,その一部が上方に突出したような構築を示しており,組織学的に構成する腫瘍細胞はクロマチンに富み,核の大小不同,配列の不整を認めたが基底膜は保たれていた.すなわち,黒褐色丘疹と同様にBowen病類似の組織像であった.このことよりカリフラワー状の皮疹はbowenoid papulosisの皮疹が集簇し,その一部が腫瘤状に隆起したものと考えた.高齢者のbowenoid papulosisの報告は少なく,特にその自然経過を観察する機会が乏しいが,自験例は高齢者に発症し,長期間放置されていたため皮疹が徐々に成長し,特異な病像を呈した稀な例と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら