icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻8号

1999年07月発行

症例報告

肛門周囲膿瘍の治療中に非イオン性造影剤の使用で重篤な血小板減少を呈した1例

著者: 安川香菜1 加藤直子1 木村久美子1 三国主税2

所属機関: 1国立札幌病院皮膚科 2国立札幌病院血液内科

ページ範囲:P.625 - P.628

文献概要

 53歳,女性.再生不良性貧血のためプレドニゾロン(PSL)10mg内服中であった.1998年3月から臀部・肛門周囲に熱感,発赤が出現し肛門周囲膿瘍と診断され,抗生物質の点滴治療を目的として入院した.検査にてCRP値の異常高値を認め,腹腔内膿瘍の存在も疑われたため,造影CTを施行した.翌日から肝機能異常が出現し,翌々日には点状紫斑,口腔内出血が認められた.血小板数は9000/μlに減少した.原因として非イオン性造影剤のイオヘキソールが疑われた.4日後には白血球と赤血球も減少し始めた.骨髄では赤血球を貧食するマクロファージが認められた.PSLを20mgに増量し,肝庇護剤の投与と血小板輸血を行い,10日後には肝機能,末梢血に改善が認められた.イオヘキソールについてリンパ球芽球化試験を行ったが陰性であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら