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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻8号

1999年07月発行

症例報告

外傷性顔面動脈瘤の1例

著者: 佐藤典子1 安藤英樹2

所属機関: 1秋田組合総合病院皮膚科 2秋田組合総合病院耳鼻科

ページ範囲:P.641 - P.643

文献概要

 50歳,男性.2か月前,道路脇に転倒し左下顎部にガラス片を刺した.自分で圧迫止血し放置していたところ,数日後から同部が腫れてピンポン玉大になり,そのまま持続しているため来院した.触診で拍動があり,顎下部の外頸動脈の圧迫で止まるのに気づいた.CT,血管造影で顔面動脈に生じた動脈瘤と確診し,動脈瘤の入り口で動脈結紮術施行.組織学的に瘤壁に正常動脈壁構造を認めず,仮性動脈瘤であった.下顎部,頸部には多彩な病因による腫瘤を認めるが,本症も鑑別すべき疾患の一つに入れ,安易な穿刺,生検は避け,画像診断など生検の前に行うべき検査を行い,慎重に対処する必要があると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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