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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻8号

1999年07月発行

症例報告

下顎部有棘細胞癌に伴ったBazex症候群の1例

著者: 板井恒二1 鳴海博美1 村井孝弥1 馬場貴子1 野村和夫1 橋本功1 木村博人2

所属機関: 1弘前大学医学部皮膚科教室 2弘前大学医学部歯科口腔外科教室

ページ範囲:P.662 - P.664

文献概要

 37歳,男性.約2年前より左外眼角部に皮疹が出現し,徐々に手足,前胸部に拡大した.初診時,顔面,頸部には鱗屑を伴う紫紅色斑を,手指,足趾には乾癬様の角化性紅斑をみた.既往歴として下口唇有棘細胞癌(SCC)の手術歴があったため,Bazex症候群を疑い精査した.頸部皮疹の組織学的検索で過角化,表皮肥厚と基底層の液状変性,真皮上層の帯状細胞浸潤を認めた.頭頸部のCT,MRIにて右下顎骨の破壊像とその外側に腫瘤が認められ,同部の生検にて高分化型のSCCと判明した.当院歯科口腔外科にて腫瘍摘出後,比較的速やかに皮疹の軽快をみた.Bazex症候群は,上部の気道,消化管系原発SCCに併発する角化性皮疹として報告された.本邦ではこれまでに12例の報告があるが,併発した悪性腫瘍の種類と部位がBazexの原著に合致するものは少なく,自験例はほぼ定型的と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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