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今月の症例
メシル酸ガベキサートによる皮膚障害の2例
著者: 永井弥生1 清水晶1
所属機関: 1利根中央病院皮膚科
ページ範囲:P.698 - P.700
文献購入ページに移動 症例1は64歳男性,症例2は85歳女性.いずれもDICのため,メシル酸ガベキサート(FOY®)を末梢静脈投与されたが,投与終了4か月後に,点滴刺入部の潰瘍形成と静脈炎に伴って広範囲の皮下痩孔を認めた.FOY®の血管外漏出に加え,直接的な血管障害による皮膚壊死,静脈炎,感染の合併も関与したものと思われた.FOY®は濃度依存性に血管障害をきたすことが知られているが,皮膚障害が投与終了後長期経過して気づかれる場合があり,注意が必要である.
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