icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻9号

1999年08月発行

症例報告

種々の血清学的異常を伴った深在性エリテマトーデス

著者: 野村和夫1 中野創1 金子高英1 白石正彦1 原子一郎2

所属機関: 1青森県立中央病院皮膚科 2原子皮膚科医院

ページ範囲:P.721 - P.723

文献概要

 種々の血清学的異常を伴った深在性エリテマトーデス(LEP)を報告する.42歳,男性.1年前より胸部,腰部,上背に手拳大までの表面暗赤色の高度の浸潤を伴った紅斑が3個出現.中央部は板状硬で,熱感著明.表面が一部萎縮,びらんを呈している.組織では表皮の菲薄化,液状変性とともに,真皮では広範な線維化,硝子化がみられ,ムチン沈着を伴う.下層では浸潤リンパ球の濾胞様構造あり.LBT陽性.一般生化学,末梢血検査は異常なし.補体正常.抗核抗体は陰性だが,抗1本鎖DNA抗体異常高値,抗2本鎖DNA抗体陽性,抗カルジオリピオンB2GPI複合体抗体陽性,免疫複合体上昇,BFP(+).この他にはSLEを思わせる皮疹,全身症状は全くみられなかった.自験例は免疫異常のみを選択的に呈しており,LEPは時として単独で高度の免疫異常を呈し得る疾患である可能性が考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら