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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻9号

1999年08月発行

症例報告

テトラサイクリンとニコチン酸アミド併用内服療法が奏効したsublamina densa型線状IgA水疱性皮膚症の1例

著者: 四方田まり1 駒井礼子1 橋本隆1

所属機関: 1久留米大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.741 - P.744

文献概要

 症例は75歳,女性.慢性腎不全にて透析中,自覚症状のない環状紅斑と水疱が全身性に出現した.初診時,機械的刺激の加わる部位にびらん面を形成し,一見後天性表皮水疱症を疑わせた.しかし蛍光抗体直接法で表皮真皮境界部にIgAの線状沈着が認められ,1M食塩水剥離皮膚の真皮側に反応する血中IgA抗表皮基底膜部抗体が検出されたことより,線状IgA水疱性皮膚症のsublamina densa型と診断した.本症例は透析中でジアフェニルスルホンの使用がはばかられたため,テトラサイクリンとニコチン酸アミドの併用内服療法を試みた.約1週間で水疱新生は減少し,2週間後に皮疹は消失した.今後,この併用療法が線状IgA水疱性皮膚症の治療法の一つとなると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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