icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻9号

1999年08月発行

症例報告

紅皮症を呈した慢性型成人T細胞白血病・リンパ腫

著者: 天羽康之1 間中泉1 小方冬樹1 岡部省吾1 手島伸一2

所属機関: 1同愛記念病院皮膚科 2同愛記念病院病理部

ページ範囲:P.753 - P.756

文献概要

 症例は58歳,男性.初診時,口囲と間擦部に浸潤性紅斑を認め,生検組織像で表皮,真皮上層の稠密な異型リンパ球の浸潤をみた.さらに末梢血中リンパ球にHTLV−1プロウイルスのモノクローナルな組み込みを検出し,成人T細胞白血病・リンパ腫と診断した.経過中,皮疹は急速に拡大,融合して紅皮症状態を呈した.紅皮症を呈する皮疹より採取した生検組織像では,初診時のものと比較して腫瘍細胞の表皮向性ならびに真皮内細胞浸潤とともに軽度であり,真皮の血管周囲には腫瘍細胞の他に慢性炎症細胞が多数混在して認められた.治療としてステロイド内服・外用を用いたが無効であり,レチノイド内服とrIFN—γ全身投与の併用を試みたところ皮膚症状の軽快が得られた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら