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雑誌目次

雑誌文献

臨床皮膚科54巻10号

2000年09月発行

雑誌目次

カラーアトラス

特異な皮疹を呈したfacial psoriasis

著者: 服部瑛 ,   田村多繪子 ,   安部正敏

ページ範囲:P.774 - P.775

 患者 26歳,男性
 初診 1994年8月3日

原著

成人型アトピー性皮膚炎患者に対する掻破行動抑制指導—顔面の症状と習慣性の自覚について

著者: 経隆紀 ,   豊田雅彦 ,   関太輔 ,   諸橋正昭

ページ範囲:P.777 - P.780

 顔面症状を主とした成人型アトピー性皮膚炎患者にとって掻破行動が悪化因子であることは明白である.顔への習慣性接触により痒みと習慣性掻破行動を誘発している成人型アトピー性皮膚炎患者の存在がある.それらの患者に顔への接触,掻破行動,症状悪化の因果関係を図を用いて可能な限り簡明に説明することによって掻破行動の抑制と症状の軽減を行い得た症例を数例経験し,今回その2症例を報告した.掻破行動の抑制指導を行う上で明確な因果関係,目的意識の提示は患者への痒みを我慢するという精神的負担を減らし無理のない掻破行動の抑制が可能となり,同時にステロイド外用薬への依存感を低減させ,薬剤の安全かつ適切な使用を促す効果も推測される.アレルギー性炎症説および皮膚バリアー機能不全説のみでは説明のつけがたい成人型アトピー性皮膚炎患者の対処法について,掻破行動の面から検討される必要があると思われた.

臨床統計

過去10年間に群馬大学皮膚科を受診したサルコイドーシス患者の臨床的検討

著者: 田村政昭 ,   石川治

ページ範囲:P.781 - P.785

 過去10年間に群馬大学皮膚科を受診したサルコイドーシス患者36例について臨床的検討を行った.患者は女性が多く,特に60歳代が過半数を占めていた.皮疹を主訴に受診した患者は全体の3分の1を占めた.皮疹では皮膚サルコイドの結節型が最も多く,次いで局面型,皮下型,瘢痕浸潤の順であった.皮疹の病型と他臓器病変の関連では2種類以上の皮膚サルコイドあるいは瘢痕浸潤を有する患者に肺野病変が多く,結節型を有する患者に眼病変が多い傾向にあった.

今月の症例

びまん浸潤型皮疹を呈したサルコイドーシスの1例

著者: 伊藤ゆり子 ,   湧川基史 ,   須釜明美 ,   日野治子

ページ範囲:P.786 - P.788

 症例は65歳,女性.5年前,両手指背の凍瘡様浮腫性紅斑を主訴に当科を受診した.両眼底のサルコイド結節および両側肺門部リンパ節腫脹を同時に指摘されており,前斜角筋リンパ節生検にてサルコイドーシスと診断された.再燃した皮疹の病理組織所見では真皮中層から下層に類上皮細胞肉芽腫を認め,皮膚サルコイド(びまん浸潤型)と診断した.血清中に抗セントロメア抗体(5120倍)が存在したが,膠原病を示唆する他の所見はなかった.手指に季節性のない凍瘡様の紅斑を有する症例を診察する場合,稀ながら本疾患である可能性があり,留意すべきと考えた.

症例報告

トレピブトンによる薬疹の1例

著者: 溝口雅子 ,   籏持淳 ,   新海浤

ページ範囲:P.789 - P.791

 41歳,女性.胆嚢炎を疑われ,トレピブトン,ウムソデスオキシコール酸,レボフロキサシンなど内服を開始したところ,2日後に顔面を除く全身に点状の紫斑,紅斑,紫斑性丘疹および紅斑性丘疹を播種状に生じた.組織所見で真皮上層の血管周囲性小円形細胞浸潤および出血を認めた.末梢血液検査で白血球および血小板数の減少がみられ,トレピブトンによる内服誘発試験が陽性であった.トレピブトンによる紫斑を伴った播種状紅斑丘疹型薬疹と診断した.これまでにトレピブトンによる薬疹の報告例はみられず,自験例のような薬疹は極めて稀であると考えられた.

Epstein-Barrウイルス感染によるGianotti-Crosti症候群の1例

著者: 木下久美 ,   伴野純代 ,   新田悠紀子

ページ範囲:P.793 - P.795

 Epstein-Barrウイルス(以下EBV)によるGianotti-Crosti症候群の1例を報告した.患者は2歳11か月の男児で,38QCの発熱がみられ,瘙痒を伴う扁平で孤立性の紅色丘疹が顔面,四肢に出現.肝機能異常は認めず,HbsAg(−),EBV VCA-IgM 40倍,VCA-IgG 320倍,EA40倍,EBNA<10倍.組織学的には,表皮内にリンパ球浸潤,真皮上層で血管周囲の組織球・リンパ球浸潤がみられた.皮疹部でのウイルス局在の有無を確認するため皮疹部組織にてin situhybridizationを施行したが,陰性であった.今後,更に症例を重ねての検討が必要であると思われた.

病巣感染を伴い再燃を繰り返した蕁麻疹の1例

著者: 西條忍 ,   及川尚

ページ範囲:P.796 - P.797

 慢性扁桃炎の急性増悪のたびに急性蕁麻疹を繰り返していたが,扁桃摘出術後は蕁麻疹の再発をみない1例を報告した.症例は25歳,女性.以前から年に数回,扁桃炎による発熱を繰り返していた.最近3か月間に3回,蕁麻疹を伴う扁桃炎を繰り返した.扁桃誘発試験で,検査値はほとんど変動しなかったものの皮疹の増悪を認めた.そこで扁桃摘出術を受けたところ,以後半年間再発をみていない.自験例のように急性蕁麻疹を繰り返す場合には,臨床症状を参考に病巣感染がないか探してみる価値があると思われる.

C型肝炎ウイルス抗体陽性の肝硬変を合併した開口部形質細胞症の1例

著者: 浅野千秋 ,   小枝淳一 ,   松本一仁

ページ範囲:P.798 - P.800

 60歳,男性の下口唇に生じた開口部形質細胞症を経験した.患者は精査にてC型肝炎ウイルス抗体陽性であることが判明し,さらに当院内科で肝硬変と診断された.ステロイド含有外用剤にて軽快するも,再発を繰り返している.近年,皮膚疾患と肝炎ウイルスとの関連が注目されており,自験例においても,C型肝炎ウイルスによるサイトカインの増加が患部に形質細胞を増殖・誘導し,本症を引き起こした可能性が考えられる.

全身性エリテマトーデスにみられたクリプトコックス症の1例

著者: 小西紀子 ,   大島昭博 ,   松本賢太郎 ,   古川福実

ページ範囲:P.801 - P.803

 48歳,女性.全身性エリテマトーデスで副腎皮質ステロイド剤と免疫抑制剤との併用療法にて加療中に,発熱があり,血中よりCryptococcus neoformansが検出された.髄膜炎を合併し,両側前腕に浸潤性紅斑が出現した.皮膚生検にて多数のクリプトコックスを認め,抗真菌剤の多剤併用療法を行ったが奏効せず死亡した.肺と肝の剖検組織内にもクリプトコックスの感染がみられた.全身性エリテマトーデスに併発するクリプトコックス症は診断が困難で予後不良となりやすく,早期の診断と多剤抗真菌剤療法が必要と考えられた.

ニコチン酸および亜鉛低下を来し,多彩な皮膚症状を伴った吸収不良症候群の1例

著者: 手塚匡哉 ,   丸山友裕 ,   樋口昇 ,   真船善朗 ,   宇佐美明男

ページ範囲:P.805 - P.808

 43歳,男性.30歳時,十二指腸潰瘍穿孔にてビルロートII法による胃十二指腸切除術を受けた.初診の半年前より,口腔内びらんおよび味覚低下が出現した.次第にそれらの増悪と,1年間に10kgの体重減少および会陰部から陰嚢部にびらんを生じ当院内科に入院した.舌の発赤,舌乳頭の萎縮,口角炎,口唇炎,大腿基部内側から陰嚢部にびらんおよび潰瘍と,四肢および体幹に茶褐色の鱗屑を付す乾燥性局面を認めた.血中のニコチン酸,亜鉛およびトリプトファンが低値であった.自験例は,ビルロートII法による胃十二指腸切除術および慢性膵炎による吸収不良症候群に伴って栄養障害性皮膚病変を生じ,皮膚症状を含めた一連の病態が低亜鉛血症により悪循環に陥ったと考えた.また,各々の欠乏症に対応する皮膚症状は多彩で特異性が弱く,吸収不良症候群に伴う皮膚所見とすべきと考えた.

一過性に経過した線状IgA水疱性皮膚症の1例

著者: 斎藤京 ,   甲斐美咲 ,   布袋祐子 ,   天谷雅行

ページ範囲:P.809 - P.812

 58歳,男性の線状IgA水疱性皮膚症(linear IgA bullous dermatosis,以下LABD)lamina lucida型の1例を報告する.糖尿病治療中にピペラシリン(以下PIPC)による薬剤性腎不全を発症し透析を導入した.その経過中にPIPCないしイミペネムによると思われる中毒疹が略治した時期にLABDを発症した.四肢の水疱に加えショック症状,著明な好酸球増多症をほぼ同時期に生じ,皮疹は透析中止により特に投薬を要せずに軽快した.自験例のLABDの発症における薬疹と透析の関与について文献的に考察した.

抗リン脂質抗体症候群の1例

著者: 高江雄二郎 ,   佐藤博一 ,   渡辺元 ,   伊崎誠一 ,   北村啓次郎 ,   加藤仁

ページ範囲:P.813 - P.816

 23歳,男性.腹痛,血尿,蛋白尿にて当院内科に入院した.抗カルジオリピン-β2グリコプロテインI抗体・抗カルジオリピンIgG抗体の高値,多臓器にわたる症状(脳陳旧性梗塞像,小腸の血管炎,膜性増殖性糸球体腎炎)があり,両下腿の網状皮斑の生検にて真皮中層の血管にフィブリン血栓が認められ,抗リン脂質抗体症候群と診断された.全身性エリテマトーデスの診断基準を満たさなかったが,血管炎が存在し,副腎皮質ステロイド投与が著効した.原発性抗リン脂質抗体症候群と全身性エリテマトーデスの関係について文献的考察を加えた.

抗リン脂質抗体症候群を疑い加療中に急速に皮膚硬化が出現し全身性強皮症と診断した1例

著者: 神田憲子 ,   石黒直子 ,   宍戸悦子 ,   檜垣祐子 ,   川島眞

ページ範囲:P.818 - P.820

 32歳,女性.指尖の難治性の潰瘍を主訴に来院した.当初,Raynaud症状,皮膚硬化を認めず,抗Scl−70抗体,抗セントロメア抗体は陰性であった.抗カルジオリピン抗体,ループスアンチコアグラントが陽性で,抗リン脂質抗体症候群と考えた.プロスタグランディンの点滴静注,アスピリンの内服にて潰瘍は上皮化したが,その後Raynaud症状と手背から前腕にかけて急速に皮膚硬化が出現し,皮膚生検所見を含めて最終的に全身性強皮症と診断した.

水疱を形成し胃癌を合併した皮膚筋炎

著者: 原尚道 ,   新井達 ,   坪井廣美 ,   橋本明彦 ,   勝岡憲生

ページ範囲:P.822 - P.824

 症例は60歳,女性.上眼瞼,頬部,背部,腰部に浮腫性紅斑が生じた.腰部の紅斑内には米粒大の緊満性水疱が集簇していた.皮膚症状から皮膚筋炎と診断した.しかし,この時点では筋症状,筋原性酵素値の上昇は認めなかった.紅斑の組織像では,基底層の障害と真皮上層の強い浮腫があり,表皮下水疱を形成していた.進行胃癌の合併があり,胃切除で一時的に紅斑は消退した.しかし胃癌の再発に伴って紅斑が再燃し,筋症状も出現した.癌性腹膜炎のため初診の約6か月後に死亡した.水疱を生じた皮膚筋炎は悪性腫瘍の合併率が高く,特に進行例の合併が多い.皮膚筋炎に生じた水疱は予後不良を示唆する症状と考えられる.

両上肢に日光角化症が多発した全身性白皮症の1例

著者: 金子千尋 ,   植木理恵 ,   坪井良治 ,   小川秀興

ページ範囲:P.826 - P.828

 両上肢に日光角化症を多発性に生じた57歳,女性のチロジナーゼ陰性型全身性白皮症の1例を報告した.角化性紅斑は露光部に一致し,病理組織検査で日光角化症と診断した.さらに,遺伍子解析により,チロジナーゼ陰性型白皮症の日本人患者に多いコドン310の挿入変異を認めた.自験例はこの年齢まで白皮症と診断されず,遮光の指導も受けていなかった.早期診断と,それに応じた患者本人への日常生活上の指導,そして定期的な経過観察の重要性を痛感した.

褥瘡から生じたverrucous carcinomaの1例

著者: 曽我部陽子 ,   高橋亜由美 ,   田村敦志 ,   石川治

ページ範囲:P.829 - P.832

 74歳,女性.26年前に発症した褥瘡から生じたverrucous carcinomaの1例を報告した.ブレオマイシン局注,凍結療法,炭酸ガスレーザー療法を試みたが完治しないため,外科的に切除した.本邦報告例では褥瘡から生じた皮膚癌33例中29例が有棘細胞癌であり,verurcous carcinomaは2例であった.悪性度が低いとされる本症には,種々の治療法の有用性が報告されている.しかし本症例においては,各種治療法で十分な効果を得ることができず,最終的に観血的治療を行った.

脂腺母斑に生じたverrucous carcinomaと基底細胞上皮腫の併発例

著者: 伴野朋裕 ,   中村泰大 ,   里見久恵 ,   藤澤裕志 ,   大塚藤男

ページ範囲:P.833 - P.835

 80歳,男性.生来,右後頭部に脱毛斑があった.外傷を契機に同部が急速に隆起,増大し,約半年の間に表面カリフラワー状で手拳大の有茎性腫瘤となった.腫瘤の大部分は高分化扁平上皮細胞が乳頭腫の構築をとり,異型性が軽度で基底膜も保たれていたことからverrucous carcinomaと診断した.腫瘤の一部には小指頭大の黒色結節を認め,組織学的に基底細胞上皮腫と診断した.腫瘍下の真皮には脂腺が増生しており,アポクリン腺も存在していたことから,脂腺母斑が腫瘍の発生母地であったと考えた.

Sclerotic fibromaの1例

著者: 和田直子 ,   石河晃

ページ範囲:P.836 - P.838

 67歳,男性.約10年前より左側胸部に小結節を認めていた.切除術施行.病理組織学的に真皮内に存在する境界明瞭な腫瘍塊は,一部で渦巻き状に配列する硝子化,膨化した膠原線維束の著明な増殖からなり,少数の線維芽細胞様の細胞を認めた.膠原線維間には特徴的な裂隙の形成を認め,ムチンと思われる物質の沈着を認めた.以上よりsclerotic fibromaと診断した.Cowden病の所見はない.本腫瘍は,1989年Rapini & Golitzにより命名されたものであり,その位置づけにつき考察を加えた.

Mantle cell lymphomaの1例

著者: 鎌田麻子 ,   大井戸有紀 ,   山田康宏 ,   松坂英信 ,   兼古理恵 ,   近藤靖児 ,   嵯峨賢次

ページ範囲:P.840 - P.842

 31歳,男性.1996年より左臀部に紅斑性局面が出現,徐々に背部にも拡大した.1997年11月に当科を初診し,皮膚悪性腫瘍を疑い皮膚生検を施行したところ,B細胞系表面マーカー陽性の皮膚リンパ腫であった.さらに表面マーカーを精査し,CD5,21陽性,23陰性であったため,mantle cell lymphomaと診断した.骨髄生検でも同様の所見を得ている.当院内科転科後CHOP療法を6クール施行し,皮疹は著明に縮小,現在寛解を得ている.B細胞リンパ腫の中でもmantle cell lymphomaは比較的悪性度が高く,予後も他の病型に比べて良くないことを考えると,免疫学的,分子生物学的にB細胞リンパ腫を分類していくことの診断的意義は大きいと思われる.

単発性結節型病変を呈した血管肉腫の1例

著者: 青柳哲 ,   加藤直子 ,   木村久美子 ,   菅原弘士

ページ範囲:P.844 - P.846

 単発性結節型病変を呈した血管肉腫の1例を報告した.症例は72歳,男性.1か月前から右側頭部に紫紅色斑を伴わない単発性の暗赤色結節が出現した.組織学的に真皮全層にかけて管腔を形成しながら増殖する腫瘍細胞を認め,腫瘍細胞は核の異型性を有し,一部は管腔内に乳頭状に突出する像があり血管肉腫と診断した.治療は病変より5cm離して骨膜上で切除し,recombi—nant interleukin−2(rIL−2)の動注,局注を行った.11か月を経た現在まで再発,転移を認めない.自験例と同じく単発性結節型病変を呈した血管肉腫をまとめ,治療と予後について考察した.

連載

Clinical Exercises・90—出題と解答

著者: 多田讓治

ページ範囲:P.812 - P.812

179
次のうち正しいものはどれか.
①表皮角化細胞間にはadherens junctionが存在する.

NOTIES FROM THE RICE COUNTRY・9

著者:

ページ範囲:P.852 - P.852

医療界におけるワイヤレスの問題点
 前回ワイヤレス時代の到来についてお話しましたが,これも万々歳とはいかないようです.まずは技術的な面から見てみましょう.もしコンピュータやモデムが使えなければ患者のカルテが出せないわけですし,実際に幾つかの病院ではカルテの書き込みをやめて,すべてをコンピュータに直接入力しているところもあり,機械の故障も大問題となります.それと,機械は大丈夫でもインターネットサーバーがダウンしたらどうでしょう.他には災害にあったり何かの理由で機械が壊されてしまったらどうなるのでしょうか.ワイヤレス機能に対応するためには技術的にもありとあらゆる状況に対処できるよう事前に検討することが大切です.
 それと別にセキュリティの面はどうでしょうか.コンピュータで患者個人の記録を送るということは本当に安全なのでしょうか.ハッカーたちはどうするでしょうか.アメリカの政治家の携帯電話が盗聴され問題となり,話題を呼んだことがあります.ハッカーはもちろん医療記録にも挑戦し,自由に患者のアルコールの問題やエイズの記録を引き出すことができ,しかもそれを売ることができます.それと従業員のコンピュータへのアクセス上の問題があります.メインコンピュータの修理技術者は恐らくいつでも自由にコンピュータにアクセスすることができるわけですし,実際に入力を行う従業員はどうでしょうか.アクセスコードを複雑にすると多くの従業員は嫌がって仕事をしたがらないか,または複雑なコードを書いてコンピュータの近くにテープでとめることになるわけです!

治療

大腿後面の慢性膿皮症の治療の試み

著者: 西條忍 ,   丹正義

ページ範囲:P.849 - P.851

 74歳,男性.2年前から右大腿後面に圧痛のある局面があり,時々数か所から膿が出ていた.初診時,右大腿後面の大部分にわたって多数の嚢腫が真皮下層の一定の深さで網目状に交通し,そこから多数の瘻孔が皮表に開口していた.嚢腫の底部が残るようにして蓋の部分を切除してみたところ,まるで網状植皮をしたかのように網目状の嚢腫上皮が残った.上皮化完了に伴い,CRP上昇や白血球増多,高γ-グロブリン血症,貧血が正常化した.

基本情報

臨床皮膚科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1324

印刷版ISSN 0021-4973

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