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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻10号

2000年09月発行

原著

成人型アトピー性皮膚炎患者に対する掻破行動抑制指導—顔面の症状と習慣性の自覚について

著者: 経隆紀12 豊田雅彦2 関太輔2 諸橋正昭2

所属機関: 1厚生連中条病院皮膚科 2富山医科薬科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.777 - P.780

文献概要

 顔面症状を主とした成人型アトピー性皮膚炎患者にとって掻破行動が悪化因子であることは明白である.顔への習慣性接触により痒みと習慣性掻破行動を誘発している成人型アトピー性皮膚炎患者の存在がある.それらの患者に顔への接触,掻破行動,症状悪化の因果関係を図を用いて可能な限り簡明に説明することによって掻破行動の抑制と症状の軽減を行い得た症例を数例経験し,今回その2症例を報告した.掻破行動の抑制指導を行う上で明確な因果関係,目的意識の提示は患者への痒みを我慢するという精神的負担を減らし無理のない掻破行動の抑制が可能となり,同時にステロイド外用薬への依存感を低減させ,薬剤の安全かつ適切な使用を促す効果も推測される.アレルギー性炎症説および皮膚バリアー機能不全説のみでは説明のつけがたい成人型アトピー性皮膚炎患者の対処法について,掻破行動の面から検討される必要があると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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