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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻10号

2000年09月発行

文献概要

今月の症例

びまん浸潤型皮疹を呈したサルコイドーシスの1例

著者: 伊藤ゆり子1 湧川基史1 須釜明美1 日野治子1

所属機関: 1関東中央病院皮膚科

ページ範囲:P.786 - P.788

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 症例は65歳,女性.5年前,両手指背の凍瘡様浮腫性紅斑を主訴に当科を受診した.両眼底のサルコイド結節および両側肺門部リンパ節腫脹を同時に指摘されており,前斜角筋リンパ節生検にてサルコイドーシスと診断された.再燃した皮疹の病理組織所見では真皮中層から下層に類上皮細胞肉芽腫を認め,皮膚サルコイド(びまん浸潤型)と診断した.血清中に抗セントロメア抗体(5120倍)が存在したが,膠原病を示唆する他の所見はなかった.手指に季節性のない凍瘡様の紅斑を有する症例を診察する場合,稀ながら本疾患である可能性があり,留意すべきと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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