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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻10号

2000年09月発行

症例報告

水疱を形成し胃癌を合併した皮膚筋炎

著者: 原尚道1 新井達1 坪井廣美1 橋本明彦1 勝岡憲生1

所属機関: 1北里大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.822 - P.824

文献概要

 症例は60歳,女性.上眼瞼,頬部,背部,腰部に浮腫性紅斑が生じた.腰部の紅斑内には米粒大の緊満性水疱が集簇していた.皮膚症状から皮膚筋炎と診断した.しかし,この時点では筋症状,筋原性酵素値の上昇は認めなかった.紅斑の組織像では,基底層の障害と真皮上層の強い浮腫があり,表皮下水疱を形成していた.進行胃癌の合併があり,胃切除で一時的に紅斑は消退した.しかし胃癌の再発に伴って紅斑が再燃し,筋症状も出現した.癌性腹膜炎のため初診の約6か月後に死亡した.水疱を生じた皮膚筋炎は悪性腫瘍の合併率が高く,特に進行例の合併が多い.皮膚筋炎に生じた水疱は予後不良を示唆する症状と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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