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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻10号

2000年09月発行

文献概要

症例報告

脂腺母斑に生じたverrucous carcinomaと基底細胞上皮腫の併発例

著者: 伴野朋裕1 中村泰大1 里見久恵1 藤澤裕志1 大塚藤男1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系皮膚科学教室

ページ範囲:P.833 - P.835

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 80歳,男性.生来,右後頭部に脱毛斑があった.外傷を契機に同部が急速に隆起,増大し,約半年の間に表面カリフラワー状で手拳大の有茎性腫瘤となった.腫瘤の大部分は高分化扁平上皮細胞が乳頭腫の構築をとり,異型性が軽度で基底膜も保たれていたことからverrucous carcinomaと診断した.腫瘤の一部には小指頭大の黒色結節を認め,組織学的に基底細胞上皮腫と診断した.腫瘍下の真皮には脂腺が増生しており,アポクリン腺も存在していたことから,脂腺母斑が腫瘍の発生母地であったと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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