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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻11号

2000年10月発行

文献概要

原著

肝・腎機能障害を伴った伝染性紅斑の成人例

著者: 越後岳士1 福井米正1 高枝知香子2 竹田慎一2

所属機関: 1黒部市民病院皮膚科 2黒部市民病院内科

ページ範囲:P.865 - P.869

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 1998年3月から10月にかけて伝染性紅斑の成人例63例を経験した.顔面に皮疹を認めない例がしばしばみられ,手足・四肢には網状紅斑のみならず,びまん性の潮紅を示したり出血斑を呈するなど非特異的皮疹を示すことが多く,関節痛や浮腫感,感冒症状など全身症状も合併した.本症の好発年齢は学童期であるが,成人例では学童期と異なる主訴・臨床像を呈するため,臨床症状のみで確定診断をすることが困難であり,同症であることを見逃されるケースが多いと考えられる.そこで,確定診断には血清パルボウイルスB19-IgM抗体価の測定が有用であると考えた.また,肝機能障害を14例,腎機能障害を5例に認め,腎生検では急性糸球体腎炎を示したが,いずれも一過性の障害で,無治療にて軽快した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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