文献詳細
症例報告
文献概要
32歳,ブラジル人男性.初診の1年前より顔面,右上肢に紅斑が出現.背部,両手背,左膝蓋と全身諸所に非対称性に浸潤性紅斑を認める.皮疹部は痛覚が消失しており,両手は落痛を訴えていた.臨床所見および皮膚スメア検査,病理所見,PCR法,抗PGL−1抗体測定よりBT型ハンセン病と確定診断した.オフロキサシン300 mg/日の単独投与にて治療を開始したが効果に乏しく,ジアフェニルスルホン100mg/日を併用したところ著効を示し,1か月ほどで症状は明らかに改善された.経過中出現した1型らい反応に対しては,プレドニゾロン20mg/日の併用で後遺症を残すことなく軽快した.治療7か月の時点で,皮膚スメア検査は陰性化し,皮疹部の生検にても肉芽腫性変化は消退した.
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