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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻11号

2000年10月発行

症例報告

IgA単独欠損症を認めた口腔扁平苔癬の1例

著者: 岸本和裕1 山崎啓二2 金子史男1

所属機関: 1福島県立医科大学皮膚科学教室 2竹田綜合病院皮膚科

ページ範囲:P.889 - P.891

文献概要

 48歳,女性.小児期より齲歯,反復感染を繰り返しており,歯科金属にて補填されている.口腔粘膜,口唇に皮疹が分布し,組織は扁平苔癬に一致した.金属パッチテストにて歯科含有金属(スズ,ニッケル)で陽性所見を呈した.口腔用ステロイドにより一時的に軽快するも難治であったためアレルゲン金属除去および換装したところ,1か月後より著明な皮疹および自覚症状の改善を認めた.血液学的検査,免疫電気泳動にてIgA単独欠損症の合併を確認した.自験例ではIgAの欠損のため粘膜での抗原吸収抑制力が低下し,金属アレルギー感作を起こした.これが誘因となりアレルゲン接触部における表皮細胞に抗原が発現され,これをターゲットとしたT細胞の表皮への攻撃のため口腔扁平苔癬を生じたものと推測した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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