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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻11号

2000年10月発行

症例報告

ミノサイクリン,ニコチン酸アミドとプレドニゾロンの併用が奏効した妊娠性疱疹の1例

著者: 福田均1

所属機関: 1赤穂市民病院皮膚科

ページ範囲:P.897 - P.900

文献概要

 妊娠性疱疹(HG)の1例を報告した.23歳,女性.初産婦.妊娠38週ごろより体幹,四肢に瘙痒性紅斑が出現.40週4日にて出産.新生児には異常はなかった.出産直後に紅斑上に水疱が出現.組織学的には表皮下水疱で,蛍光抗体直接法にて基底膜部にC 3の沈着を認めた.プレドニン®30mg/日単独内服およびミノマイシン®200mg/日,ニコチン酸アミド900mg/日,レクチゾール®75mg/日,アゼプチン®2mg/日の4剤内服はいずれも無効.両者の併用にて皮疹の急速な消退をみた.HGは,免疫組織学的所見や抗原の共通性などから,妊娠に伴って発症した水疱性類天疱瘡(BP)であるとの見方が主流になってきている.BPにおいてミノマイシン®およびニコチン酸アミドが有効であった報告例は多いが,HGでの報告例は見当たらなかった.自験例ではプレドニン®を併用し著効を示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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