文献詳細
症例報告
文献概要
妊娠性疱疹(HG)の1例を報告した.23歳,女性.初産婦.妊娠38週ごろより体幹,四肢に瘙痒性紅斑が出現.40週4日にて出産.新生児には異常はなかった.出産直後に紅斑上に水疱が出現.組織学的には表皮下水疱で,蛍光抗体直接法にて基底膜部にC 3の沈着を認めた.プレドニン®30mg/日単独内服およびミノマイシン®200mg/日,ニコチン酸アミド900mg/日,レクチゾール®75mg/日,アゼプチン®2mg/日の4剤内服はいずれも無効.両者の併用にて皮疹の急速な消退をみた.HGは,免疫組織学的所見や抗原の共通性などから,妊娠に伴って発症した水疱性類天疱瘡(BP)であるとの見方が主流になってきている.BPにおいてミノマイシン®およびニコチン酸アミドが有効であった報告例は多いが,HGでの報告例は見当たらなかった.自験例ではプレドニン®を併用し著効を示した.
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