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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻11号

2000年10月発行

症例報告

カルシウム拮抗剤による歯肉増殖症の3例—ニフェジピンによる2症例と塩酸マニジピンによる1症例

著者: 村本剛三12 内平孝雄3 亀井敏昭4 武藤正彦5

所属機関: 1萩市立病院皮膚科 2萩市見島診療所 3山口県立中央病院皮膚科 4山口県立中央病院病理科 5山口大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.913 - P.916

文献概要

 47歳男性と72歳男性に生じたニフェジピンによる歯肉増殖症2例と68歳男性に生じた塩酸マニジピンによる同症1例を報告した.3症例とも下顎前歯部の歯肉のみ腫脹し,他に異常を認めなかった.内服期間はそれぞれ16か月,8年,10年であった.いずれも原因と考えられたカルシウム拮抗剤のみ中止し,ACE阻害剤であるエナラプリルに変更した.歯肉増殖は薬剤変更2週から4週間後より改善し始め,1〜4か月後には全例とも正常化した.その間,血圧も良好にコントロールされた.生検の病理組織像は上皮の肥厚,線維性結合組織の増生,炎症性細胞浸潤を呈していた.カルシウム拮抗剤による歯肉増殖症の典型例と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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