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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻11号

2000年10月発行

文献概要

症例報告

高圧酸素治療を施行した難治性下腿潰瘍の1例

著者: 松村由美1 水野可魚2 太田敬治3 岡本祐之2 今村貞夫4

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚病態学 2関西医科大学皮膚科学教室 3おおた皮ふ科 4松江市民病院

ページ範囲:P.917 - P.919

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 経過中に難治性の下腿潰瘍を呈し,補助療法として高圧酸素療法を施行した皮膚型結節性多発動脈炎の1例を報告した.症例は69歳の女性で,潰瘍性大腸炎および糖尿病の加療を受けている.初診の約2週間前より下腿に圧痛を伴う紅斑,紫斑が出現した.病理組織学的に,真皮下層から皮下脂肪組織さらに筋層にかけての壊死性血管炎を呈し,皮膚以外の血管病変は認められなかったため,皮膚型結節性多発動脈炎と診断した.経過中に難治性の下腿潰瘍が生じたが,補助療法として高圧酸素治療を行い治癒に至った.血管炎のような虚血性病変に伴う難治性皮膚潰瘍に対して,高圧酸素治療は試みる価値のある補助療法と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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