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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻11号

2000年10月発行

文献概要

症例報告

末梢血中にcutaneous lymphocyte-associated antigen陽性CD4 T細胞の著明な増多を認めた慢性型成人T細胞白血病・リンパ腫の1例

著者: 勝田倫江1 藤田明子1 寺木祐一1 塩原哲夫1

所属機関: 1杏林大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.936 - P.938

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 53歳,男性の慢性型成人T細胞白血病・リンパ腫(adult T cell leukemia/lymphoma : ATLL)の1例を報告した.主症状は体幹・四肢に多発する浸潤性紅斑と結節であり,内臓病変は認めなかった.末梢血では異型細胞が53.5%と著明に増加していた.末梢血CD4 T細胞は80.7%と増加しており,そのうち70%にcutane—ous lymphocyte-associated antigen(CLA)の発現を認めたが,CD8 T細胞における発現は11%に過ぎなかった.皮疹部に浸潤しているリンパ球はCD4 T細胞が主体であり,大部分はCLA強陽性であった.自験例における末梢血中のCLA CD4 T細胞の著明な増加はATLLにおいて特異疹の頻度が高いことをよく説明する所見と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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