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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻12号

2000年11月発行

文献概要

症例報告

発症後20年を経過し間質性肺炎が死因となった全身性エリテマトーデスの1例

著者: 新山史朗1 原尚道1 佐藤直哉1 新井達1 橋本明彦1 米元康蔵1 勝岡憲生1

所属機関: 1北里大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.961 - P.964

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 症例は41歳,女性.19歳時に全身性エリテマトーデス(SLE)と診断され,プレドニゾロン(PSL)40mg/日より治療開始し以後漸減,症状は安定していた.PSL 2mg/日で継続治療中の1997年5月より,労作時呼吸困難が出現し胸部CT上蜂窩肺を認めた.徐々に進行するため1998年6月より,計3回のパルス療法およびシクロスポリンを併用したが,間質性肺炎の急性増悪をきたし,同年12月二次感染症を合併して死亡した.自験例はSLEの経過を通じて,抗DNA抗体高値を呈した症例であった.しかし,間質性肺炎出現時にそれ以外の明らかなSLEの血清学的変動はみられず,間質性肺炎がSLEによる肺病変なのか,あるいはSLE患者に特発性間質性肺炎が合併したものなのかの鑑別が困難であった.SLE患者に生じた間質性肺炎の病因的意義については,今後の症例の集積とその詳細な分析,検討が必要と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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