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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻12号

2000年11月発行

文献概要

症例報告

関節症状,血尿および蛋白尿を伴った急性汎発性膿疱性細菌疹

著者: 岸本和裕1 菊池智1 山口亜紀1 岩月啓氏1 金子史男1

所属機関: 1福島県立医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.969 - P.971

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 58歳,男性.発熱,頭痛,関節症状出現の3日後に背部に紅暈,強い浸潤を伴う直径10mm大までの無菌性膿疱が発生し,急速に全身に拡大した.病理組織学的に単房性表皮内膿疱と膿疱直下の真皮にleukocytoclastic vasculitisの像,蛍光抗体直接法で真皮血管壁にIgM, C3の沈着を認めた.臨床経過は抗生物質とステロイド投与によく反応して速やかに皮疹が消退し,以後再発をみない.検査所見も合わせ急性汎発性膿疱性細菌疹と診断した.本症例は全身症状が強く(40℃の発熱,頭痛,関節症状,尿異常所見),組織学的に脂肪織にまで及ぶ炎症性細胞浸潤を認めた点で興味深く,若干の考察を加え報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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