icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻12号

2000年11月発行

文献概要

症例報告

耳介に限局して生じた環状肉芽腫の1例

著者: 間中泉1 檜垣祐子1 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.972 - P.974

文献購入ページに移動
 66歳,男性.2年前より両耳介に小結節が出現し,増数した.初診時,両耳介に4〜7mm大の常色ないし紅色結節が多発していた.病理組織所見は真皮上層の血管壁の肥厚と,その周囲の好中球,リンパ球および組織球浸潤と核破片を認め,また好塩基性に染まる変性膠原線維がみられた.また真皮深層では軟骨に接して膠原線維の小変性巣と核破片,その周囲を取り囲むリンパ球,組織球からなる細胞浸潤を認め,小変性巣に一致してアルシアンブルー染色陽性所見を得た.蛍光抗体法では真皮上層の血管壁とその周囲の膠原線維に沿って巣状にフィブリノーゲンの沈着を認め,発症に局所的な血管炎が関与した環状肉芽腫と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?