icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻12号

2000年11月発行

文献概要

症例報告

骨破壊を伴い眼窩内に浸潤した増殖性外毛根鞘性腫瘍の1例

著者: 松本博子1 小林昌和1 安西秀美1 杉浦丹1 行木英生2

所属機関: 1清水市立病院皮膚科 2静岡赤十字病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.1020 - P.1022

文献購入ページに移動
 左眼外方の側頭窩より眼窩外壁の骨を破壊して眼窩に浸潤した増殖性外毛根鞘性腫瘍の81歳男性例を報告した.3か月前より左眉毛外側およびそのやや下方に表面平滑,軽度に隆起した硬い結節があり,強い自発痛を伴った.結節中央部の生検組織では真皮に外毛根鞘性角化を呈する嚢腫を数個認めたが,画像検査では腫瘍本体はかなり深部にあり,頬骨の菲薄化を伴っていた.全摘標本の組織では,眼球と腫瘍との境界に存在するはずの骨組織は認められず,腫瘍は巨大な嚢腫状を呈していた.組織学的には眼球に最も近い部分においても悪性像は認められなかった.増殖性外毛根鞘性腫瘍の本邦報告例につき文献的に考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?