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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻13号

2000年12月発行

文献概要

原著

免疫不全者にみられた水痘再罹患例のまとめ

著者: 小松崎眞1 横井清1 本田まりこ1 新村眞人1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.1041 - P.1044

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 1988年から1999年までに当科で経験した,水痘の再罹患と考えられた8症例をまとめた,全例で,皮疹が特定の神経支配領域に偏ることなく播種状で,神経痛様疼痛がなかった.8例とも水痘の既往があり,2例に帯状疱疹の既往があった.基礎疾患は,造血器腫瘍4例,固形癌2例,皮膚筋炎1例,脳梗塞1例であった.血清特異的抗ウイルス抗体価VZV-IgM(EIA法)は全例で有意な上昇がなかった.2例に化学療法後の白血球減少症があった.3例でCD4/8比が低下していた.健常人の場合,水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)に再感染しても不顕性感染に終わり,booster効果により免疫が維持されていくと言われている.自験例のような免疲低下した患者では,VZVの再感染が顕性発症することが考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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