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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻13号

2000年12月発行

文献概要

症例報告

ヒドロキシカルバミドによる四肢潰瘍の1例

著者: 鎌田麻子1 飯田憲治1 西川哲祐2 橋本英明2

所属機関: 1釧路赤十字病院皮膚科 2釧路赤十字病院内科

ページ範囲:P.1072 - P.1074

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 74歳男性の,ヒドロキシカルバミドによる四肢の皮膚潰瘍を経験したので報告する.1994年に慢性骨髄性白血病と診断され,内科よりヒドロキシカルバミドを処方された.内科的には経過順調であったが,1999年9月,両手背,足背,肘部に暗赤色局面,潰瘍,びらんが出現したため当科を受診した.局所消毒,抗潰瘍剤による処置と,ヒドロキシカルバミド投与中止にて症状は速やかに改善した.ヒドロキシカルバミドは,本邦では1992年より認可された抗腫瘍剤で,皮膚潰瘍の報告が近年増加している.これまでの報告例では上肢に潰瘍を生じた例はないが,発症機序を考慮すると,自験例のような肘部潰瘍の可能性も常に念頭に置く必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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