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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科54巻13号

2000年12月発行

文献概要

症例報告

多発性骨髄\腫に伴った全身性アミロイドーシスの1例

著者: 上田周1 有川順子1 石黒直子1 川島眞1 鮫島勇一2 溝口秀昭2

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2東京女子医科大学血液内科

ページ範囲:P.1076 - P.1078

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 66歳,男性.2年前より眼囲に小結節と繰り返し出現する紫斑がみられ,その後全身の皮膚硬化,嚥下障害と開口障害を生じた.初診時,巨大舌と頭部,顔面の結節と眼囲の黄褐色小結節がみられ,頸部には光沢を伴う淡黄褐色の小結節が多発集簇し,躯幹,四肢に強皮症様皮膚硬化を認め,一部では板状硬結を触れた.臨床症状より全身性アミロイドーシスを考え,上眼瞼,頸部の小結節と大腿部の硬結より皮膚生検を行った.病理組織学的に,真皮に島状ないしびまん性にダイロン染色で赤染し,免疫組織学的にamyloid of light chain of immunoglobulin(AL)蛋白λ鎖で陽性の無構造物質の沈着を認め,確定診断に至った,また,血清中および尿中Bence Jones蛋白陽性,尿中β2ミクログロブリン増加を認め,骨髄穿刺にて多発性骨髄腫と診断した.インターフェロンを含む多剤併用療法を施行するも軽快なく,肺炎を併発し死亡した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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